2018年01月24日 20:39

美容と健康効果の高い!?「縄文の貝」

 国語道場の今年の中3受験生ですが、本日までに全員が受験した私立高校の合格をいただきました。

 綿密な準備をして入試相談などを経ているので、当然と言えば当然ですが、本人たちから結果を聞くまではやはり心配になりますね。

 ほとんどの受験生たちがこれから第一志望の公立高校の入試を控えていますが、この時期に合格をもらうことは、受験生たちには心のゆとりをもたらしてくれるもののようです。先日の「ニューベンゼミ」でも、集中力を高めるにはリラックスすることが大事だと言っていましたのでね。リラックスして次に備えさせたいと思います。

 さて、塾長は、しばしばいろいろな勉強会に出かけます。ここ数か月は、千葉市加曽利貝塚博物館が主催している「縄文時代研究講座」に参加しています。

 加曽利貝塚ですが、貝塚というのは、まあ縄文人が大量に採取した貝殻が大量に遺棄されて、現在に残っているところです。

 では、加曽利貝塚をはじめとして、千葉市周辺の貝塚で最もたくさん発見されているのは何という貝でしょう?

 アサリ?ハマグリ?シジミ?バカガイ?

 現代の私達が食べる貝ということで、この辺がまず思い浮かぶのではないでしょうか。

 実は、千葉市周辺の貝塚で出土する会のおよそ9割は、

イボキサゴ

という貝なのだそうです。

 なんだそれ?という方が多いかと思います。Wikipediaにも項目が立っていませんでした。市場魚貝類図鑑というサイトによると、「食用として認知されていない」、「知っていれば学者級」なんだそうです。

 そんなイボキサゴを、今から5,000年ほど前に、我々が生きている千葉市域に住む縄文人たちは採りまくっていた。採りに採って、何千年後も彼らの捨てた貝殻が山になるほどに。

 何で縄文人はそんなにイボキサゴを採って食いまくっていたのか。それを明らかにするために、最近の縄文時代研究講座では、考古学から離れて、イボキサゴの生態とその栄養について、専門家を招いて講演が行われました。

 今日は、イボキサゴの栄養についての話でした。

 イボキサゴ(に限らず貝類)にはあまりカロリーがないそうです。縄文人は、活動のためのエネルギーをドングリなど木の実からとっていたようです。では、貝塚の大量の貝は何のために採っていたのかというと、どうも体を丈夫にしたり調子を整えたりするためだったのではないかということでした。

 イボキサゴ、どうもタウリンとコラーゲンがすごいらしいです。

 タウリンは、血圧の上昇抑制、疲労抑制、認知機能の低下抑制などの効果があると言われているようです。コラーゲンと言えばお肌つるつるといった印象がありますが、骨を丈夫にするうえで極めて重要な栄養素でもあるそうです。

 本日講演した栄養学の研究者の方の調査によると、タウリンの量は、それを極めて多く持つホタテ貝と同等で、これはアサリの数倍にあたり、コラーゲンを計測するときに使われるアミノ酸の一種を調べたところ、これまたそれを非常にたくさん含む紅鮭に匹敵し、やはりそれはアサリの数倍の量になるということでした。

 縄文人たちがこのような科学的知識を持っていたわけではないでしょうから、何となくおばあちゃんの知恵的に、

「イボキサゴを食べると体が丈夫になるんだよ」

なんて感じで食べていたのかもしれませんね。

 あまりの栄養価の高さに本日の講師の方、「イボキサゴは機能性食品素材として有効な食品」なのではないかとお考えになっているようでした。もしかしたら近い将来、テレビの情報番組なんかで、「今注目の『縄文の貝』イボキサゴ」なんて特集が組まれたり、スーパーでもおなじみの食品になったり、イボキサゴサプリなんかが売り出されたりするようになるかもしれませんね。

 勉強会の合間に、イボキサゴ汁が振る舞われました。

 確かにおいしい。貝類が好きな人は、多分ハマる味だと思います。

 加曽利貝塚のゴールデンウィークのイベントでも振る舞われるとのことなので、興味のある方は参加されてはどうでしょうか。

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