2019年08月01日 00:09

英語が苦手な人は、夏休みここだけ復習して完ぺきにしよう

 このブログでもたびたび言及していますが、英語という教科は積み重ねの性質がとりわけ強い教科で、中1の内容で身についていないことがあると、中2、中3と進むにつれて全くできなくなってしまう傾向があります

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上のグラフは、千葉県公立高校入試における英語科の得点分布です。一番多いのは80点以上90点未満の層ですが、次に多いのは30点以上40点未満の層。多くの教科では、平均点付近に頂点が来る山の形になりますが、英語はこのような成績分布になりやすいです。つまり、出来る子と出来ない子の二極分化を起こしやすいということです。一度できなくなると泥沼にはまり込んでなかなか抜け出せなくなります。この下位層の子どもたちもどこかしかの高校に進学しているはずですが、とてもじゃないですが高校英語なんて身につけられる状態ではないでしょう。

 英語が苦手というお子さんは、まず中1の英語ができていません。というか、中1の英語ができていないことを自覚できていません。なぜかというと、一見すると中1の英語はやさしいからです。それが落とし穴で、「こんな簡単なことは分かっている」という思い込みで、それが全然身についていないものですから、中2の内容や中3の事項など学び進めても、いつまで経っても中1英語のポイントでバツをもらい続けることになります。

 英語が苦手という人は、次の3点について本気で見直し、完ぺきに徹底的にできるようにこの夏休みのうちにしておきましょう。これは高校生でも有効なはずです。なぜなら上に挙げたグラフの通り、高校生の3分の1は、中1英語がきちんとできていないことが推察されるからです。

①そもそも文章を書くルールを守っているか

 ピリオドやクエスチョンマークを書いたり書かなかったり、文頭の文字や固有名詞の1文字目を小文字にしていたり、大文字と小文字の区別がつかないような字を書いていたりしていませんか?こういう人は、そもそも文や文字をまともに読んでいない人が多いです。日本語でも、句読点を書いたり書かなかったりの人は、英語でもこうなる傾向があります。

 私の知る限り、学力の高い人はLINEのメッセージでも句読点をちゃんと打ちます。言葉を読んだり書いたりするうえで、当たり前のルールを当たり前に守る習慣が身についているのでしょう。このように、日ごろから言葉を大切にしているかいないかが、結果的に英語の成績の大きな差になって現れます。

②be動詞の意味を「~は」とか「~です」で覚えるな

 これねえ。フランス語におけるêtre、ドイツ語におけるsein、ロシア語におけるбыть、ポーランド語におけるbyćですよ。英語などヨーロッパ語の知識のある人だったら、beの意味は「~がある、いる」または「=(イコール)」で、欧州のどの言語にもこれにあたる単語があることは知っていますよね。どうしてそれをちゃんと中学生に教えないんでしょうね。is、am、areの意味は「~は」とか「~です」なんて教えるから、be動詞と一般動詞を進行形や受け身でもないのに混在させる子どもが出ちゃうんですよ。

 まず、慣れるまではbe動詞を見つけたら、それが「ある、いる」の意味なのか「=」の意味なのかを必ず見極めるようにしましょう。そして、「=」の意味になる時は、be動詞の上に=マークを書きこむことをお勧めします。こうすることで文の意味がビジュアル的に分かりやすくなるはずです。

 これは高校生にもおすすめです。高校生で特に長文読解の苦手な人は、be動詞の意味を意識できていないことが原因である場合が少なくありません。これがすんなりできるようになると、英語の偏差値が10ポイントは上がること請け合いです。

③「英語は現在形が一番難しい」と知れ

 英語は文法規則がシンプルなので、そこが逆にくせ者だったりします。英語以外のヨーロッパ語では、主語に応じて動詞の形がすべて変わるのが普通です。ところが、英語では主語が三人称単数の時だけ動詞の語末にsをつけるという形でしか変化が起こりません。非常にシンプルで簡単ですね。しかしこれがくせ者なんです。

 「主語が三人称単数の時だけ」「語末にsをつける」という一見簡単なルールのため、そこから勝手に重要ではないと思い込んでしまう子どもたちが一定数発生してしまうんですよね。

「おい、この答え、何か忘れてないか?」

「ああ、三単現のsですね。凡ミスですよ。」

もう全国の学校や塾で同じようなやり取りが何億何兆と繰り返されていることでしょう。こんな感じで、ことの深刻さがいまいちわかっていない中学生は少なくありません。

 私はこれまでにたくさんのお子さん方を指導してきましたが、この三単現のミスを些細なミスだ、凡ミスだなどと思うところが、英語落ちこぼれの地獄の一丁目と言って過言ではありません。これがちゃんと身についていないために、例えば中2で過去形を教わってそれが完ぺきにできるようになっても現在形で間違ってテストでバツを食らう、中3で現在完了を教わってそれは出来ているのに中1の現在形をミスって全然点数が取れないという子どもたちは、非常に多いと言って差し支えありません。

 この夏休み、英語が苦手だと思っているお子さん方は、上に挙げた3点が完ぺきにできているかどうかまずチェックしてみましょう。ちょっとでも怪しいところがあったら、まず徹底的にこれを克服してパーフェクトにできるようにしてください。9月以降、あなたの英語の成績は劇的に改善するはずです。

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