2018年01月11日 20:41

英語・道徳・プログラミング、この中で小学校の教科にならないのは・・・

 「東ロボ君」開発のプロジェクトリーダーでおなじみ、基礎読解力テストの開発者でもある新井紀子氏のツイッターを読んでいたら、このような投稿がありました。

  

 Globeの当該記事はすでに修正されているようですが、確かにコンピューターのプログラミングが小学校で必修教科になると思っている人は結構いるような気がします。

 道徳は2018年度から「特別な教科」になり、英語は2020年までには外国語活動が小3スタートに引き下げられ、小5以上は「教科」になります。しかし、コンピューターのプログラミングは教科にはなりません

 「あれ、でも『プログラミング必修化』みたいな話はどこかで聞いたことがあるぞ」という方は結構いらっしゃるでしょう。

 無理もありません。上のような大手メディアでさえ、あたかもコンピューターのプログラミングが小学校で行われるかのような書き方をいまだにしてしまうのですから。

 また、Googleで「プログラミング 必修化 塾」などと検索してみると、2020年から学校でコンピューターのプログラミングの授業が行われるようになるかのように書かれたページがたくさん出てきます。検索ワード「塾」というのがポイントですかね。なんか、プログラミング教室をやっている塾が意図的にミスリードしようとしているのか、それとも本当にコンピューターのプログラミングが教科になると思い込んでいるトンマなのか定かではありませんが(^^;

 これ、非常に紛らわしいのですが、2020年度より施行される新しい学習指導要領のポイントをよく見ますと、このように書かれています。

○情報活用能力(プログラミング教育を含む)

(略)

・コンピュータでの文字入力等の習得、プログラミング的思考の育成(小:総則、各教科等(算数、理科、総合的な学習の時間など))

 コンピューターのプログラミングを学校で教わるようになるのではなくて、プログラミング教育が実施されるということなんですよね。

 (・・?なんだそれ?って感じですが、「プログラミング教育」というのは、BASICとかCとかいったプログラミング言語を学ぶことではなくて、与えられたものや情報から段取りを考え、それを記述するなどすることで、ものごとをうまく進められるような能力を育てましょうということです。新たに「プログラミング教育」の時間が増えるのでもなくて、今ある算数や国語、家庭科、総合の時間で「プログラミング教育」を施していくということになるようです。

 イメージとしては、家庭科の調理実習で、みんなで力を合わせて効率よくおいしく何かを作るにはどうしたらいいか考えさせて工程を書かせてみたり、実習後によかったところや改善点を話し合わせたりするといったところでしょうか。

 まあ、つまるところ国語力ですよね・・・。書かれていることをちゃんと読み、自分の理解したことを他人に分かるように書いたり話したりできるお子さんだったら、普通にできることではないかなと思います。

 そんなわけで、「プログラミング教育が必修化される」と聞いて、すわ、うちの子にもパソコンを習わせなきゃなんて心配しなくても大丈夫ですよということです。国語をやりましょう。

—————

戻る


お問い合わせ先

国語道場(西千葉)

稲毛区緑町1丁目27-14-202
千葉市
263-0023


043-247-7115
お電話のお問い合わせは、火~土曜日の午後3時~9時
メールは24時間承っております。