親の「個別指導」は子どもの大迷惑
今週の頭に塾生向けに夏期講習のご案内を配布したのですが、今日から早速お申し込みを頂戴しております。お早いお申し込み、誠にありがとうございます。同時に面談のお申し込みも承っておりますので、こちらもよろしくお願いいたします。
さて、今日は午前中に小2の娘の学校の授業参観に行ってきました。国語の授業で、テーマは「私の好きなこと」を一人一人発表するといものでした。
見ていると、なぜだか自分の書いた原稿が読めないお子さんもちらほら。とぎれとぎれのスピーチを聞いていると、まあ結構立派なことが書いてあるようではあります。うーん、親御さんが「お手伝い」なさったんでしょうかねえ。
外国語や日本語の指導を行われたことがある方はご存じかと思いますが、自分の好きなことを書かせたり言わせたりすることは、有効な言語の指導法です。なにしろ自分の好きなことは人に伝えたいですからね。
しかし、この指導法で大事なのは、自分から言葉を使って人に伝えたいと思う気持ちを利用して、言語技術を伸ばすところなんですよね。
だから子どもにこの方法で授業を行うなら、子どもが自分から書こうとしたり語ろうとしたりするのを指導者は待たなければいけないですね。
親が、「ほらあなたはあれが好きでしょう」とか、「こんなところがいいんじゃないの」などと介入したらダメなんですよ。子どもが自分からことばをひねり出して伝えようという意欲をつぶしてしまいますからね。まったくもって、親の余計な世話が子どもの成長の芽を摘んでしまうことになります。
「個別指導」という塾は最近非常に多いのですが、一般に、一斉授業に比べて技術があまり必要ないといわれております。
たしかに、巧みな話術、板書の技術など、一斉授業で必要とされるテクニックの多くが、個別指導においては不要です。その意味では個別指導は一斉授業に比べて「簡単だ」といえるでしょう。
しかし、個別指導には個別指導なりの難しさも存在します。それは、経験や認識不足の指導者は、「待つ」ことができないということです。
個別指導の指導者に求められる最も重要なスキルは、上手に教えることではありません。そうではなく、子どもの力を引き出して、子ども自身のその力を利用して子どもを伸ばすことなんです。そのためには、子どもの表面的な言動に惑わされず、子どもの心理を読み、子どもの力を信じられる経験が必要です。
経験や認識の足りない指導者は、手取り足取り教えようとします。結果的に、指導者が全部問題を解いてしまいます。子どもは自分の頭をまったく使いません。当然のことながら、子どもの学力が伸びるわけがない。
こう聞くと当たり前のように思われるかもしれませんが、子どもの発表課題にあれこれ口を挟んでしまった何人かの親御さん方、あなた方がしてしまったのはこういうことなのです。
なぜ子どもは自信なさげに小さな声でたどたどしく、聴いている人たちのほうも見ずに原稿から目を離さずに発表しているのか。これは子どもたちのせいではないですよね。
子どもが、何か勉強で分からないことを持ってきた。その時に、さあ父ちゃん母ちゃんが教えてやるぞなんて「個別指導」はやめてください。
まず、この子には自力でこの「わからない」ことを解決する力があるはずだと信じる。だからあれを見てごらん、これを調べてごらんなどと導いて、最終的に自力で答えを出させる。これが本当の個別指導です。
だから結構個別指導も難しいんですよ(^^ゞ
子どもの代りに自分が問題を解いてしまう、こんなことをやっている余裕はない、ついついイライラしてしまう、などなどあるようでしたら、「個別指導」はやめてください。子どもが勉強嫌いになることこそあれ、その成長につながることはありませんから。
お子さんがご家庭でホッとできる環境づくり。これだけで本当にお子さんが伸びる下地作りになりますよ。
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