親の務めとは
今週日曜日(3月6日)に開催する道場寄席ですが、お蔭さまで満席となりましたので、昨日をもって申し込みの受付を終了させていただきました。誠にありがとうございます。
道場生とその保護者の方が中心ですが、道場生以外の方も若干おいでになるということで、嬉しく思います。
「楽しそうなイベントなのですが、残念ながら当日所用のため来られません」なんてわざわざご連絡くださる方もいらっしゃいました。お気持ち、感謝いたします。
今回、本物の噺家さんに来ていただいて、落語を体験してみようというイベントを開かせていただくことになったわけですが、反響が大きく、さすが国語道場にお子様を通わせる保護者の皆様と思いました。
素晴らしいのは、こういうものを子どもに見せたいと感じられるところです。センスがよろしいです。
こんなところから、親が子どもたちにしてあげられることはなんだろうということを思いました。
それは、しつけることと知的好奇心をはぐくむことです。
この点がおろそかになっているのに、「子どもが勉強しない」と嘆いたり、ただただ子どもに「勉強しなさい」と言うだけだったりという親御さんも少なくないと聞きます。
こういう親の態度からは何も生まれないということは、国語道場生の親御さんはよく分かっていらっしゃるのだろうなと思います。
しつけとは、ほぼ時間厳守のことと言っていいでしょう。
先週あたり、ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんが、お子さんのDSをバキバキに折ったということが話題になっておりました。なんでもゲームをしてよい時間を守らなかったということだそうで。
私にとっては意外なことに、彼女に対する非難が殺到したそうですね。「子どもがかわいそう」だとか、「子どもの自主性を損なう」とか、あげく「任天堂に失礼」とか。
なんだかトンチキな意見ばっかりでびっくりしました。この件については彼女が圧倒的に正しい。なぜならしつけの要諦は時間厳守させられるかどうかだからです。
これほどの覚悟で子どものしつけに臨んでいる親がいるものかと、むしろ私はたいそう感心しましたね。私はここまですることはできないです。任天堂もいい加減DSにOFFタイマーくらいつけてくれよと願います。
ここまでの覚悟のない人間が、これほどの心構えで臨む人間を非難するなんて、滑稽でしかないです。
さて、次に知的好奇心をはぐくむことですが、それは具体的にどうすることか。
それは、この世界には面白いことがたくさん転がっているということを、様々な体験を通して知らせていくことです。
そもそも、皆さんは勉強(特に子どもたちがしなければならないと考えられているところの)とは何だとお考えでしょうか。
それは、この世界に転がっている面白いことを読み取るための練習です。勉強は、面白いことにつながっているものです。こういうことを大人には正しく認識しておいていただきたいのです。
国語とは何なのか。
人間はあらゆることを言語で記述します。国語の力があれば、理論上はこの世のあらゆることを理解できるようになります。国語という教科はその練習です。英語はそのグローバル版。
なんで数学なんて勉強するのか。
世界や宇宙のあらゆる事象は、なぜか数学で表すことができます。いわば数学は宇宙を読み解くための「言語」です。数学という教科も、やはりこの世の面白いことを読み取る練習なのです。
理科や社会は。それは、国語や数学の勉強で培った力を使って、実際に世界や宇宙を読み解く実践的な練習と言えます。
では、道場寄席は何なのか(^o^)
まあ、子どもたちにはあまり深く考えずに楽しんでもらえれば十分ですが、もちろん単なるお遊び会ではありません。
落語は、人間がその歴史の中で作ってきた良いものの一つでしょう。人々の悲喜こもごもの生活を活写した言語表現です。
子どもたちには、落語を体験してもらうことで、一つまたこの世の面白いことを知ってほしいなと思っています。
このような体験こそが、子どもたちの知的好奇心を育てるということです。
こうした知的好奇心をはぐくむ営みなくして、子どもにただ「勉強しなさい」ということがいかに不毛であるか、親は心しておかなければなりません。
知的好奇心のない人間にとっては、勉強の先にある楽しみは想像できません。そういう状況での「勉強」は、実りのない苦行でしかありません。
たしかに、勉強そのものには面倒で大変なことはたくさんあります。
しかし、知的好奇心旺盛の子どもであれば、一見苦しい勉強が、子ども時代に体験した楽しみにつながっていくことに気づくことができるので、困難も乗り越えることができるでしょう。
今回の道場寄席に対する保護者の皆様の反応を通して、子どもの知的好奇心をはぐくむためには何が大切か問うことをよく認識していらっしゃることが分かりました。大変心強く思います。
当日、皆さまとお会いできることを心より楽しみにしております。
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