親は子どもが話しだすまで我慢できない
今日は毎年恒例、年に1度のお楽しみ、千葉の誇り、千葉県少年少女オーケストラの第20回定期演奏会に行ってきた。
ここのところ私の趣味(音楽)の話ばっかり書いているので、塾はちゃんとやっているのかしらと心配されているかもしれない。
私の持論だけれども、自分の好きなことも一生懸命やっていない人間が、仕事を一生懸命やるワケがない。
部活動を「面倒だ」とか「だるい」とか言っている塾生は、再三にわたり私から「だったらやめれば」と言われる。
しばしば、「内申のため」とかいう理由で部活を続けている人がいる。以前の記事にも書いたが、部活をやっていなくても、入試で不利になることはほとんどない。
「内申のため」とかそこまで入試のことを考えている(笑)のだったら、その分勉強したほうがよほど点数になるので、とっとと退部することをおすすめする。趣味は、一生懸命やる人にだけその資格がある。
かように、私は趣味も仕事も一生懸命の人間であるので、なんの臆面もなく趣味のことを書く。
自宅最寄り駅の天台からモノレールに乗り、千葉で県庁前行きに乗り換えたら、こんなモノレールだった。
有名なアニメ番組なんだろうか。車内放送までこの登場人物と思われる役の声優さんのものだった。
この写真を撮っていたら、私以外にも車内の写真を撮りまくっているお兄さん方がいらしたが、私もその筋の一人と思われてしまったかな。まあいいか。
さて、これが演奏会場入口。
今年の演目は、演奏会が第20回という記念のものであるので、ベートーヴェンの第九(交響曲第9番ニ短調作品125)。今日はベートーヴェンの命日の翌日であった。
これまで、私は千葉オケのCDは第1回定期演奏会のものから第10回のものまで持っていた。
市川公演のも持っている。
今回第20回の定演ということで、改めて第11回以降のものをまとめて購入してコンプしようと思って販売コーナーに行ってみた。そうしたら、第12・13・15・16・17回のものはないということだった。
売り切れてしまったのかと思ったら、欠番のものはそもそも制作していないとのこと。
第15回定期演奏会は、2011年4月に行われたものだが、そう、3・11の大震災の直後。奇しくも演目がヴェルディ作曲のレクイエム(死者のためのミサ曲)という、なんとも不思議なめぐり合わせでかつ大変な名演だった。CD制作の要望は大変強いが、なぜか制作されていないという。
千葉オケの人たちだけが演奏している音源なら問題ないのだろうけれども、高名なプロ音楽家が多数関わっているものだけに、複雑な権利上の問題があるのかもしれない。
というわけで、あるものだけ頂戴(もちろん購入)してきた。
それでも、第11回のショスタコーヴィチの第1交響曲の名演、第14回のベートヴェンの第1・第2交響曲、第18回のマーラーの第1交響曲など印象的な演奏がまた聴かれるのは良かった。
今日の演奏。
前回の第九は、第10回定期演奏会だったから、あれから10年も経ったのかとまず驚いてしまった。
前回の第九もなかなかに早い演奏だった印象があるのだけれども、今日はそれ以上に快速という感じだった。
これほどの難しい曲をこの速さで、しかも集中して演奏し続けるのはさぞ大変だろうと思ったけれども、しっかりと練習を積み上げて、やりきってくれた感じだった。
終局に向けて一気呵成に突き進むところは大変な迫力で、終わった途端に思わず私も「ブラヴォー」が出てしまった。
演奏会の様子はチバテレビはNHK-FMでも放送するそうなので、ご関心のある方は是非ご覧になってもらいたいと思う。
いやはや、千葉オケの定演メンバーは、見たところ中・高生が中心なのかなと思うが、本当に子どもの能力なんてこんなものだなんて大人が勝手に思い込むことは、良くないことだなあと思い知らされる。彼女たち・彼らの演奏を聞くにつけて、子どもたちがこんなに素晴らしい音楽が作り上げられるものなのかと、心底感心する。
子どもたちの底力を身をもって感じてもらいたいので、ぜひともテレビ・ラジオ放送は多くの方に聴いてもらいたいと思う。子どもを見くびってはいけない。
それで思い当たったのが、先々週あたりベネッセの教育情報サイトにあった記事。その一部を紹介する。
私:こんにちは! 今日は来てくれてありがとう! ○○さんは何年生ですか?
お母さん:ほら! 何年生? 答えて!
お子さん:……6年生。
私:そう! じゃあ、もうすぐ中学生だね! 入る部活とかもう考えてみた?
お母さん:……ほら! あれ! ……バレーボール、やるんでしょ?
お子さん:……ああ、まあ。
私:へえ! そうなんだ! バレーボールを選んだ理由は何なの?
お母さん:……だから、小学校からやってたんだよね?
終始、このような調子で、子どもより先に話し始める保護者のかたが、驚くほど多いのです。お子さんに質問しているのに、子どもが答えるまで黙っていられないようです。
塾で面談をやっていても、こういうケースには実際よく出くわす。
私が、「志望校はあるの?どこ高校に行きたい?」なんて聞いても、親御さんが間髪入れずに「まだ決まってないわよね」なんて口出しをしてしまう。
子どもとしては、こんな楽な話はない。自分で答えなくても、親が自動的に自分の代わりに済ませてくれるのだから。
しかし、客観的に見てどうだろうか。こんなことを続けていたら、子どもにとってまずいことになるのではないかと思いうかぶのではないだろうか。
実際、このように親御さんが子どもに代わって全て答えてしまっている状況だと、面談中でも子どもはこちらの話を見るからに聞いていないし、自分の問題なのに他人事のようにぼうっとしてしまうものだ。
自分の問題をちゃんと自分の問題として考え、行動するというのは日々の習慣によるのであって、ある日突然子どもが勝手にやってくれるようになるものではない。こんなふうに親が子どもに代わって回答するようなことをやっている限り、子どもが自分の行き方について自分で考え、決める日は永遠に訪れない。
結局、子どもを信頼していないのだと思う。結果として子どもを無能力者扱いしてしまっている。
やっぱり、国語道場に関わった親御さんたちには、子どもの力を最大限信頼する方たちであって欲しいと思っている。そいういうわけで、ちょっと千葉オケの子どもたちの活躍は、皆さんにぜひとも見ていただきたいものなのである。
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