2018年11月12日 23:41

読書指導「ことばの学校」で大人気のあの作品の映画を見に行った

 映画『若おかみは小学生』を、細君のあきこさんと小5の娘と見てきた。

 『若おかみは小学生』だが、原作本の第1~10巻が国語道場の読書指導「ことばの学校」に収録されている。授業時間以外の休み時間にも本棚から取り出して読んでいる子どもたちがいるくらいの人気作品。映画が上映されていることも知っていたんだけれども、子ども向けのアニメ作品かなという気がしたので、これまで見に行かないでいた。

 それが最近、学生時代の友人がこの映画を見に行ってえらく絶賛していた。そこでヤフー映画でも映画.comのユーザーレビューを見てみると、かなりの好評。そこで家族で見に行くことにした。

 いや、これは皆さんも見るべき。もう、私は、映画の後半は涙が流れっぱなしだった。

 話の軸は、両親を交通事故で亡くした主人公のおっこが、つらい別離を受け入れ、その悲しみを乗り越えて、祖母が経営する温泉旅館の若女将へと成長していくというもの。「ことばの学校」で1~10巻全部読んでいる娘の話のよると、映画は原作本のいろいろな要素を詰め込んだ内容になっているらしい。しかし、話の軸がしっかりしているので、詰め込みすぎの感じはなく、引き締まった作品になっている。映画冒頭に出てくるお神楽を、ラストシーンではおっことライバルの少女が踊るのだが、冒頭と最後のイメージが重なることで、形式的にも端正な作品に仕上がっている。

 何といっても、映画の前半、主人公のおっこが、両親の死を現実のこととして受け止められず、外面上平静にしている様子が実にリアルだ。本当に悲惨な経験をした人間は、直ちにそれを受け入れられずに、かえって落ち着ているかのような反応をしてしまうのではないだろうか。

 この映画を見て「号泣した」とか「涙が止まらなかった」という感想を書いている人が多いのだが、これはお涙ちょうだいの物語を見せられてのものではない。両親の死を現実のこととして受け止められないおっこは、祖母の旅館を訪れる宿泊客などとの出会い、交流を通して、次第にその現実を受け入れざるを得なくなる。その際にこみあげる耐え難いほどの悲痛な感情を、観客はおっことともに追体験しているのだ。

 構造的な整った美しさといい、主人公の感情の自然な流れの表現といい、話の軸の背後にある中心的なイデーがしっかりとしていることによるのだが、この映画は間違いなく名作。認定。

 劇場公開はそろそろ終了という文言もちらほら見かけたので、このブログをお読みになってちょっと興味がわいた方、もともと「若おかみは小学生」のファンでまだ見ていないという人たちは、ぜひ見に行かれることをお勧めします。

 原作本を読んでみたいという人は、ぜひ「ことばの学校」を受講してみよう!塾生でない方も、無料体験授業で読むことができます。

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