読書指導こそがリーダーの教育である
以前から面白いと思っていることがあるんですが、世界的に影響力を持つビジネスリーダーには、読書家が多いですよね。マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏なんか、もはやビブリオ・バトラーと呼んでいいでしょう。
読書家のみんながみんなすごいリーダーになれるわけではないでしょうけれども、しかし逆に世界屈指のリーダーで読書家でない人はいないということは言えるんじゃないでしょうか。それくらい、読書によって得られる知見やインスピレーションは大切だということなんだと思います。
ちょうど1か月ほど前の朝日新聞に、今や日本社会において最も影響力のある研究者の一人と言ってよいでしょう、新井紀子さんのコラムが載っていました。それを読んでいて、これからの世の中、読書するかどうかが今よりもさらに重大なことになってくるなと確信しました。
新井さんによると、現代は一種の「文化繚乱」の時代だということです。そうなった原因で最も大きなものは、パーソナライゼーションだと言っています。
YouTubeで何かの動画を見るとします。そうするとその記録から、コンピューターがこの人はほかにこんな動画を見たいんじゃないかということを予測して、おすすめ動画としてあげてくるようになります。さらにいろいろな動画を見ていくうちに、いつの間にかYouTubeのトップ画面は、あなた好みのおすすめ動画がたくさん並ぶようになります。YouTubeのトップ画面は、スマホやパソコンのユーザーによってそれぞれ違いますよね。このように、ユーザーごとに「最適化」された環境をコンピューターが自動的に提供してくれるような仕組みを、パーソナライゼーションと呼びます。こうして、趣味のマイノリティーがもはやマイノリティーであることを自覚することもなく、自分の趣味の世界を掘り下げていけるようになっています。
例えば、現在「国民的アイドル」と呼ばれている人たちがいるではないですか。でも、今の「国民的アイドル」って、あんまり国民的ではないですよね。
中学生を見ていて思うのですが、モーニング娘。がブームになったとき、かなり多くの中学生はそれを話題にしていたし、ピンクレディ以降のアイドルに全く興味のない私でも、どのような人がいるのかは多少把握できていました。それが、昨今の「国民的アイドル」は、ほとんど中学生の話題にはなりません。話題になるのは、「(同級生の)◯◯ってАКБ好きなんだって」--「うわっ、(以下略)」というような時くらいです。
しかし、この「国民的アイドル」、確かにそれなりに応援している人たちが存在することは確認できます。この現象は、文化のパーソナライゼーションが進んで、濃厚に応援する人たちと、ほとんど関心のない人たちに分断されている証拠なのでしょう。
コンピューター技術の発展に伴って、YouTubeもAmazonも、各個人好みの商品や情報をどんどん出してくれる。パーソナライゼーションの進展で、ミクロな文化圏に個人のグループが分断されていく。こうして多くの人々が、自分の興味の範囲内だけで満足できてしまうような社会になりつつあります。そのような時代の変化に不安を感じている人が現れている、このようなことが新井さんのコラムには書かれていました。
そこで私が思ったのは、これからの時代に指導的立場に立とうと思っている人には、ミクロに分断された諸文化を縦断できるような知能と教養を持つことこそが重要になってくるのではないかということです。ほとんどの人々は本当に狭い自分の興味の中だけで生きていますから、それらをメタな立場から俯瞰できるような知能と教養を持っている人は、圧倒的な力を手にすることができるだろうと思います。
そのような力を得ることができる営みとは?とりあえずそれは読書しかないと思います。それも、良書とされているものを多読することです。
良書とはどのようなものか。それは、文学の専門家だけでなく、様々な地位や職業、地域の人が良いと言っている本です。様々な文化を縦断して人々の関心を刺激しうる本ということです。当然、そのような本をたくさん読んで、その内容が血肉と化しているような人は、小さく分断された文化と文化を縦断する知性を持っていることでしょう。
古典はさらに良いです。現代という短い時間の枠の中での横のつながりだけでなく、長い時間の中でもたくさんの分野の人々が高く評価し、生き残っている本だからです。
これからの時代、パーソナライゼーションの影響で、ほとんどの人々はますます狭い文化のかなに閉じこもるようになっていくでしょう。その中で広く世界に影響力を発揮しうる、文明的な視野を手に入れる方法、それが読書です。
さて、その良書をたくさん子どもに読ませていくにはどうしたらよいか。もうお気づきですね。その最も有効なメソッドが、西千葉地区では国語道場が独占的に提供している読書指導「ことばの学校」です。300冊もの良書のラインナップ。プロのナレータによる朗読音声を聞くことで、集中して一冊一冊の本を読むことができます。
お子さんにひとかどの人間になってもらいたいと思われる親御さん。そのためには読書です。そしてお子さんが無理なく楽しみながら良書を多読でき、さらに効果的に体に残っていく読書指導メソッド、それがことばの学校です!
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