買食いする子はなぜ成績が悪いのか
小2の娘が、学校の遠足の帰り、近所のコンビニで持ち合わせていたお金で麦茶を買って飲んでいたことがバレて、家内に叱られていました。
買い食いってどうしてダメだというふうに認識されているんでしょうね。
私、幼少のみぎり、幼年雑誌の付録の小冊子か何かで、子どもがしてはいけないことの中に、この買い食いがあったことに衝撃を覚えた記憶があります。
「買って食っちゃいけないんだったらどうすればいいの?盗むの?」
長じて中学時代、正規の通学路を通って下校するようなことはしません。学校の裏手の雑木林を通って、「近道」をして帰ります。
この雑木林を抜けたところに、これまたいいあんばいに駄菓子屋がある。そこで500mL瓶のコーラやファンタを買って飲みながら帰ります。
当時は学校に水筒を持って行くなんてことはありませんでしたね。水道水なんてカルキ臭いものは私のような上品な人間には飲めたものじゃありませんから、学校にいるあいだじゅう水分は給食の時の牛乳200mLだけ。当然猛烈にのどが渇いています。
今の子どもたちは学校に水筒にお茶を入れて持って行っていいんですね。いい世の中です。私の頃は、運動中は水を飲むななんて指導者が当たり前のようにいましたが、あれは一体何だったんでしょうね。
まあ、言い訳はいろいろありますが、学校帰りにジュースを飲み歩くなんてことをしていた一番大きな理由は、このちょっとルール違反を犯している感じがまたなんとも心地よかったからだと思います。
さて、かようにして500mL瓶のコーラやファンタグレープをラッパ飲みして歩いていると、通りすがりのおばちゃんに、
「あんまりみっともいいもんじゃないわよ」
と注意されたことを今でも覚えています。当時はそんなもんかいなと思ったものですが。
「おーい!竜馬」という漫画を読んでいたら、少年時代の武市半平太が、道場の帰りにまんじゅうを買食いする友達に、
「武士が買い食いなどとみっともないことをするな」
と注意する場面がありました。
もちろん漫画はフィクションですが、大人で、ちゃんとした感じの人は、買い食いを見苦しい行為だと感じるもののようです。
でも、何がいかんのかというと、案外難しい。万引きしたものを飲み食いしているわけではなし、酒・タバコ・ドラッグを買っているわけでもなし。そもそも、ものの売り買いがなければ世の中成り立ちません。
それでも、多くの人が買い食いは子どものするべきことではないと感じているのはなぜなんでしょうかね。娘の買い食い「事件」が発覚して、それについてあれこれ考えてしまいました。
かように、買い食いがなぜいけないかという理由を上げることは存外難しいことなのですが、塾という立場上言えることはあります。それは、学力上位の子どもたちは、買い食いをしない傾向があるように感じられるということです。
「傾向があるように感じられる」なんていい方をするのは、統計的根拠がないからなんですが、たぶん相関関係があると思います。「買い食いをよくする」・「たまにする」・「ほとんどしない」・「したことがない」という質問と、偏差値の分布をクロスさせたら、バッチリ出るんじゃないですかね。誰か社会学の人に調べてもらいたいです。
こういうのは因果関係ではないので、買い食いをすると成績が悪くなるということではありません。買い食いをする子は成績が悪い傾向にあるという相関性の問題です。
国語道場では、授業中に軽く水分を取るくらいは自由にしていますが、おしなべて成績上位層の生徒は、何も持ってこないか、持ってきても自宅からお茶や水を入れた水筒を準備してくる傾向があります。
こういうのは、そもそも水分は食事中に取るものであるとか、塾でのどが渇いた時のために前もって準備することができるとかいった生活習慣ができているということと、学力が関係しているということなんでしょうかね。
一方で、休み時間なんかにちょろっと近所のコンビニに行って清涼飲料水を買ってくることを日常としているような子どもだと、その飲み物が学習の妨げになっているんじゃないかと思われることがありますね。
他の生徒達がカリカリカリカリ勉強しているところで、宙を眺めて、ほーっとため息をつき、飲み物を一口。ボトルを置いて勉強するかとおもいきや、シャープペンシルの先をくるくる回しだすとか、とにかくムダな動作が多い。授業時間中精一杯やることをやるのではなくて、いかに授業時間を「殺す」かということばかりやっているように見えますよね。
つまるところ、買い食いがなぜ行けないかということを理論付けることは難しいけれども、買い食いをするような生活習慣を持っていると、やるべきことに集中することができないような生活態度に結びつきやすい。だから、昔から私達はなんとなく、子どもは買い食いをするべきではないと経験的に感じ取ってきたのではないでしょうかね。
—————
お問い合わせ先
国語道場(西千葉)稲毛区緑町1丁目27-14-202
千葉市
263-0023
043-247-7115
お電話のお問い合わせは、火~土曜日の午後3時~9時
メールは24時間承っております。