頭が「良い」・「悪い」は語彙力で決まる
突然ですが質問です。
お子さんは自分のことを頭がよいと思っていますか?それとも悪いと思っていますか?
根拠もなく自信過剰なのは困りますが、どちらかといえば、お子さんが自分のことを頭がよい、何でもかんでもできるというわけではないけれども、勉強に関して何となく自信を持っているほうがいいのは言うまでもありません。自分は出来ないと思い込んでしまうと、ちょっと難しいと感じただけで問題を解くのを諦めてしまったり、勉強そのものが嫌いになってしまったりしてしまうからです。
では、この自分は頭がいいような気がするとか、悪いような気がするというのは、いつからどのように子どもはそのような自己評価を持つようになるのでしょうか?
様々な要因が考えられますが、非常に大きなものとして、語彙力があるかないかということがあります。とくに小2・3年生時点での語彙力の違いが大きいように思われます。
上は、学年別の平均的な語彙数のグラフです。国語道場が西千葉地区で独占的に提供しております読書指導「ことばの学校」で年2回実施されている「読書指数診断」という語彙力と読みの正確さを測るテストの成績分布の一つです。
ご覧の通り、小学1年生は「ことばの学校」受講者と非受講者との間の差がありません。これは、小1なので受講者といっても受講期間が短いからだといったことも考えられますが、まあ、読書や言語の学習に比較的熱心なご家庭のお子さんとそうでないご家庭のお子さんでも、1年生のうちは語彙力にそう違いはないということが言えるでしょう。
注目すべきは小2です。どうでしょう。小1と比べて、一気に語彙力が伸びます。1年で4,500語程度でしょうか。そして小2→小3で2,200~2,400語程度伸びています。
それ以降は伸びも鈍化していって、2,000語以上伸びるところはほぼなくなります。また、小3以降、「ことばの学校」受講者と非受講者との差は大きくなっていきます。
国語道場でも同様の傾向があります。やはり小2、小3の伸びはすさまじい。半年から1年で、1万語前後語彙数が増える生徒が全体の半数はいますね。
で、問題なのは、この小2・小3の脳みそ大爆発の時期を逃してしまっているんじゃないかというお子さんが、実は結構いるのではないかということです。というのは、小学校高学年や中学生になってから国語道場に初めて入られる方で、「読書指数診断」の語彙力検査で、小学校低学年並みの語彙力のお子さんがまれにいらっしゃるからです。その多くが、小学生向けの算数とか国語?とかを自主学習的にやらせている教室や、チェーン個別指導塾で算数だけとりあえずやっているというお子さん方ですね。
ほとんどの場合、自分は頭が悪い、勉強は苦手だを通り越して嫌いだという自意識を強く持つに至っています。どうしてもっと早く、語彙力というところに気づいていただけなかったのかと思うところもありますが、それはそれで励まして何とかしていくわけです・・・。
よろしいでしょうか、語彙力はまずすなわち理解力です。言葉を知っているから、先生の話も教科書に書いてあることもよっく分かります。
次に、語彙力は頭の中で知識や原理をまとめる力です。学んだことを頭の中で整理する。これは、口には出さなくとも言葉によって行われます(だから勉強中独り言を言うお子さんはたいてい賢い)。
そしてそのようなわけで、第3に、語彙力は記憶力であります。理屈や知識が頭にうまく整理されていますからね。覚えるのも容易です。
このような学習における頭の使い方が、語彙力のあるお子さんはしっかりできます。小2・小3の脳みそ大爆発の時期にうまく語彙力を伸ばすことのできたお子さんは、こうしたよい頭の使い方を低学年のうちからできているので、どんどんわかる、出来る、よい成績を収められる。よって自分は頭がいいという自意識を持てるようになるわけですね。
学年が進むにつれて、勉強する内容が複雑で多くなってきますと、練習量が非常に重要になってきますから、語彙力があるだけでよい成績を収められるということは次第になくなってきますが、小学生低学年のうちから「自分は頭が良い」、「勉強ができる方だ」と思っているお子さんの方が、その練習も頑張れるだろうということは容易に想像できるのではないでしょうか。
小5くらいですと、実力テスト偏差値で60以上を取るお子さんは語彙数25,000語前後ある一方、20,000語を切るくらいの語彙数だとかなり厳しい成績を取る傾向がはっきりと出てしまいます。
どうでしょうか。この辺を皆さん正しく認識していただきたいと強く思います。小学生、特に学年が低いうちは一番大切なのはいかに語彙力を伸ばすかです。ほとんどの方が、無味乾燥な算数プリント練習のようなものをあてがうような「教育」をやってしまっているんじゃないでしょうか?
語彙力が第一。問題演習を増やしていくのは、学年が進んでからというのが正解です。
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